被災から2日目、彼女はやっとお父さんが出会うことができました。
気の強い彼女が涙を流しています。
私の想像をはるかに超える不安を感じていたんだと分かりました。
はじめて見る彼女のお父さん。
彼氏として、こんな異常事態下で初めての挨拶をするのは、なんだかツラい気持ちでしたが仕方ありません。
彼女が父親にこれまでの避難の経緯を説明し、私と私の家族を、父親に紹介しました。
彼女の父は、
「この度はこんな状況の中で、娘の面倒を見て頂き、本当にありがとうございます。」
と深々と頭を下げました。
「こちらこそ、勝手なことをして申し訳ありません。」
と私の父。
聞くと、彼女のお父さんは、やはり昨日も神戸に、彼女を探しに来ていました。
車が大渋滞で、神戸の街に近づけず、途中で車を乗り捨てて、歩いてきたんだとか。
マンションに行っても彼女はおらず、片っ端から避難所を探し回ったそうです。
彼女の特徴を伝えて、避難所の人に見なかったか聞いてまわったそうです。
暗くなるまで探し歩いて、灯りのない街でこれ以上探すのは困難と、その日は後ろ髪を引かれる思いで、一旦帰宅しました。
そして今日、またも車は途中まで、徒歩で神戸入り。
早朝から再度、避難所をまわり、念のためと思い、彼女のマンションに寄ったところ、ドアのメモを見つけ、この公園にたどり着いたのでした。
ニュースではずっと、神戸の街の惨劇は映し出され、心配ばかりが膨んだと言います。
しかし、神戸の街に実際に入ると、その心配はさらに増加し、昨日はやはり眠れなかったようです。
ただ、彼女のマンションは倒壊していないこと、部屋にカギがかかって、中に人の気配がないこと、被災直後、彼女の母親と一瞬であったが電話が通じたことから、「生きている」ということは確信できていたと言っていました。
寒空で凍えているんじゃないか?
食べるものがなくて、お腹を空かせているんじゃないか?
知り合いが少なく、不安にしているんじゃないか?
たとえ生きていると分かっていても、親というものは、顔を見るまでは安心などできるはずもなく、そんな愛娘の心配ばかりしていたようです。
申し訳ない・・・もっと早くメモを貼って伝えておくべきだった。しかも私は、大事な娘さんの部屋に、親の目を盗んで勝手に上がり込んでいるような、つまらない男。
そんな懺悔の念にうつむいていたところ、彼女のお父さんが私に声をかけました。
「地震直後の、娘が一番不安な時に助けてくれてありがとう。テントがあったから寒さを凌げたと聞いて本当に安心したよ。本当に感謝します。」
そういって、私に何かの足しにしてくれと、こっそり一万円札を握らせました。
私は驚いて、
「今はお金は必要ありません。」
と断りましたが、つき返しても受け取りません。
本当にそのときは困り果てましたが、後に彼女のお父さんが、私のお義父さんになって、付き合いが長くなってから思いましたが、不器用なお義父さんの言葉に表し切れない感謝の表現だったんだなと思いました。
2日目の昼、彼女はテントの荷物をまとめ、お父さんと実家へ帰って行きました。
その日は、彼女が実家に帰れて良かったと思う反面、私はなんだか寂しい気持ちになったのと、これから先、私の家族はどうなるのだろうという不安で、たまらなく怖くなったことを記憶しています。
はじめまして。
家づくりの参考にとたどりついたブログからこちらにやってきました。
一気に読み続けました。
とてつもなく深い親の思い、子の思い・・・涙が出てとまりません。
わたしの主人は尼崎出身で震災を経験しています。
その日はたまたま学校の行事があり、あの時間は駅のコンビニにいたそうです。
ものすごい揺れと同時に商品が棚から落ち、コンビニのガラスが割れ、店員さんと一緒に外へ逃げたと言っていました。
でも、尼崎は神戸の街よりも被害が少なかったのでしょう、幸い実家は倒壊を免れ、寒さをしのぐことができ、カセットコンロ等で調理もできたとのことでした。
今は関西を離れ、東海地方に住んでいます。
東海も地震が怖いところです。
土地探しでは津波の影響も考えました。
これから建物の打ち合わせに入りますが、震災に強い家・・・いつもこれが念頭にあります。
いつ自分の身に起こってもおかしくない・・・そう思いながら、続きを今後も読ませていただきます。
このブログにたどり着けて良かったです。
つらい想いを掘り起こして書いてくださっていることに感謝します。
うれしいコメントありがとうございます。
地震に強い家・・・永遠のテーマですが、いくら丈夫に作っても絶対安心って無いんですよね。。。
地震はビルをも簡単に倒壊させられるんですから、戸建の家なんて無力なもんです。
これから建てられるのであれば、壊れない強い家というよりも、
玄関を広く間取って、地震時もドアが開くようにするとか、
勝手口は必ず作るとか、
寝室には家具を置かなくていいように、収納を充実させるといった工夫が大事だと思います。
最後のコメント、本当に勇気付けられました。
ありがとうございます!
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